後鼻漏の原因と対策 食養生と生活習慣

【粘膜の腫れを抑えて後鼻漏を改善する方法】 漢方と養生で体の中から整える3つのステップ

■ はじめに:薬を飲んでも後鼻漏が治らない方へ

「耳鼻科で異常なし。でも、喉に痰が落ちてきて不快が続く」
「鼻づまりはないのに、のどの奥がネバネバして気になる」
「薬を飲んでも一時的。再発を繰り返してしまう…」

そんなお悩みを抱えた方が、和ひのき薬局には多く相談に来られます。

実は、こうした後鼻漏の背景には「粘膜の腫れ」が隠れているケースが少なくありません。
鼻や喉の奥の粘膜がうっすら腫れた状態が続くことで分泌物がとどまり、
垂れてくるような不快感が起こりやすくなるのです。

特に、
・アレルギー体質のある方
・胃腸が弱く、甘い物や冷たい飲み物をよく摂る方
・ストレスで体調を崩しやすい方
に多く見られる傾向があります。

今回は、そうした「粘膜の腫れ」が後鼻漏を引き起こすメカニズムと、
体の内側から整えていくための養生・漢方対策を3
つのステップでわかりやすくご紹介します。

 

【STEP1】なぜ粘膜が腫れる?漢方でみる体質の乱れ

漢方では、粘膜の腫れ=「むくみ」や「うっ血」のような状態と捉えます。
体内の水分バランスや血流の滞りによって、鼻やのどの粘膜がじわじわと腫れ、
痰がうまく流れずに喉へ落ちてくる(=後鼻漏)という状態を引き起こします。

代表的な体質タイプには、以下のような傾向があります:

タイプ

背景

よくある症状

❶ 水湿(すいしつ)型

胃腸が弱く、水分代謝が悪い

ねばつく痰・だるさ・食後に悪化

❷ 瘀血(おけつ)型

血の巡りが悪く、粘膜がうっ血

のどのつまり感・舌が暗い

❸ 津液不足型

潤いが不足し、粘膜が乾く

乾燥・粘る痰・少量でも絡む感覚

後鼻漏と一口に言っても、人によって原因の背景がまったく違うため、適切な対処が必要です。

 

【STEP2】生活習慣の見直しで腫れやすい体を整える

漢方薬を使う前に、まず見直していただきたいのが「日々の飲食習慣」。
なぜなら、食べ方や飲み物の内容だけで、粘膜の状態が大きく変わることがあるからです。

粘膜の腫れを悪化させやすい習慣チェック
・朝食がパンとカフェオレで済ませがち
・お菓子や甘いものを毎日摂る
・喉の不快感から水分をたくさん飲んでいる
・冷たい飲み物が習慣化している
・食欲がなくても無理に3食食べている

→ これらはすべて、「脾=消化器」を弱らせて水分代謝を滞らせ、粘膜に湿をためる原因になります。

 和ひのき薬局がおすすめする養生法(基本編)

 

養生のポイント

内容

甘いものを控える

砂糖・甘味は「湿」を増やし腫れの原因に

冷たい飲食を避ける

粘膜や胃腸を冷やすと水の巡りが悪化

脂っこい食事を減らす

油は「痰湿」を生みやすい

空腹を感じない時は食事を抜く

無理な食事が消化力を下げる原因に

温かい飲み物に切り替える

常温〜白湯がおすすめ。麦茶・アイスは控える

※特に「パン・麺・乳製品」をよく食べる方は、「ご飯+味噌汁」の和食スタイルに戻すだけで改善のきっかけになります。

 

【STEP3】漢方で粘膜を整える力を取り戻す

体質に合わせた養生だけでも効果はありますが、
すでに粘膜の腫れが長引いている場合は、漢方薬での調整が必要です。
漢方では、以下のような処方を体質ごとに使い分けます。

体質タイプ

処方例(イメージ)

水湿タイプ

半夏白朮天麻湯・苓甘姜味辛夏仁湯など

瘀血タイプ

冠元顆粒・血府逐瘀湯など

津液不足

麦味参顆粒・滋陰降火湯など

また、養生をしっかり行っている方のほうが、漢方薬の効き方も早い傾向があります。

 

相談事例:1か月で後鼻漏が軽快したケース

  • 40代女性/3年続いた後鼻漏と喉のイガイガ感
    毎朝パンとカフェオレ、甘いスイーツが日課。漢方薬と共に食習慣を和食中心に切り替え。
    → 2週間で喉の違和感が減少、1か月後には後鼻漏もほぼ消失。
  • 30代男性/痰のからみが1年以上続く
    冷たい麦茶を1日2リットル以上飲んでいた。温かいお茶に変更し、利湿の漢方を併用。
    → 3週間で半減、1か月半で症状が消失。
  • 50代女性/のどが腫れたような違和感と後鼻漏が続く
    日々の食事で、パン・乳製品・お菓子を多く摂っていた。
    問診で「胃腸が重たい」「お通じもスッキリしない」傾向があり、脾の弱りと湿の停滞が見られた。
    → 和食中心へ切り替えつつ、利湿と健脾の漢方を併用。
     2週間で朝の違和感が減り、1か月後には粘膜の腫れも感じなくなった。

最後に:こじらせる前に“体の中から整える”選択を

後鼻漏は粘膜がこじれると長引きやすく、再発もしやすい症状です。
だからこそ、症状を抑えるだけでなく、
「なぜ粘膜が腫れているのか?」という根本原因に
目を向けることが改善の第一歩です。

和ひのき薬局では、後鼻漏・鼻炎・上咽頭炎のご相談を数多く受けており、
漢方と養生を組み合わせた改善法をご提案しています。

「薬を続けても変わらない」「本気で治したい」とお悩みの方は、
どうぞお気軽にご相談ください。

 

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この記事を書いた人
神谷 和憲(かみや かずのり)
和ひのき薬局 薬剤師/漢方相談担当

後鼻漏・上咽頭炎など、長引く不調にお悩みの方に寄り添いながら、
漢方と食養生での改善をサポートしています。

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