「鼻水がのどに落ちてくる感じが気持ち悪い」
「朝からネバつきがあって、ずっとスッキリしない」
こうした後鼻漏のご相談が、年々増えています。
耳鼻科では「異常なし」と言われたけれど
日常の不快感が続く
そんな方が多く来られています。
後鼻漏とは、鼻からのどに粘液が流れてくる状態です。
漢方ではこの粘液を「痰(たん)」と呼び
余分な水分が処理しきれずに
あふれている状態と考えていきます。
「処理する力」が落ちている
私たちの体は、食べたものを消化・吸収し、
不必要なものを排泄するシステムで動いてくれています。
しかし後鼻漏のある方は「処理する力(消化・代謝)」が低下していて、
余った水分をため込みやすい状態と言えます。
このときに注目してもらいたいのが、
あなたの「空腹感」です。
食前に空腹を感じていますか?
意外に思われるかもしれませんが、
食事のときに実際に空腹を感じていない方は
とても多いです。
漢方相談で問診していると
「時間になったから」
「家族と合わせて」
「朝だからとりあえずパンとコーヒー」
そんなふうに体からのサインではなく
時間が来たから食事をとる生活が普通になっている人が多いのです。
この状態こそ後鼻漏の一因になっているかもしれません。
胃腸(脾)が元気であるとは?
漢方では「脾(ひ)」という言葉で、胃腸の機能を表します。
脾は、飲食物をエネルギーや水分に変え、
不要なものを体の外に出す働きを担っています。
空腹感がないのに食べるということは、
この脾の処理力が100%ではない状態で
食べているということです。
結果として、
・栄養をうまく吸収できない
・老廃物(余分な水)がたまる
・粘膜に痰が溜まり後鼻漏として現れる
という悪循環に陥っているイメージとなります。
◎本当にその食事は体が求めているタイミングですか?
「食べたいから食べる」のではなく
「時間だから食べる」ことが続いていないか?
一度、立ち止まってみるだけでも
体からのサインに気づきやすくなれます。
「空腹感」は整えるためのサイン
「空腹」は体からの「消化できる準備ができています」
というサインです。
このサインが出るまで待ってから食べるだけで
脾はグッと働きやすいのです。
例えば
睡眠不足で身体は元気が出にくいですが
しっかり眠れた朝の状態では元気は充実しています。
これと同じイメージで空腹感はしっかり眠れた朝と同様に
胃腸の元気が満ちた状態と考えましょう。
だから空腹を感じてから食事をするだけでも、
余分な水をつくらない体質へ一歩ずつ
整えていくことができます。
朝、空腹を感じていますか?
特に、朝の後鼻漏がつらい方に多いのが、
朝食の前に空腹を感じていないというケースになります。
これは、前日の夕食が遅かったり、
消化の重たいものをとっていたり、
水分の摂りすぎがあったりと
前日の生活の延長線上にあります。
例えば、和ひのき薬局にご相談に来られた50代女性のAさんは、
毎朝、時間が来たからという理由で朝食をとっていたそうです。
「本当にお腹が空いているか?」と一度立ち止まってもらい、
数日だけ朝食を抜いてみたところ、
「朝のネバつきが驚くほど楽になりました」
とご感想をいただきました。
もちろん体質や状況によって合わない方もおられますが、
「自分の体の声を聞く」ことの大切さを実感された事例です。
そうした方は、まずは一度以下を見直してみてください:
・前日の夕食の時間と内容(遅すぎ・食べすぎに注意)
・就寝前の間食や飲み物の習慣
・朝起きたときの口の中や胃の重さの有無
実際に思い切って数日だけでも「朝食を抜く」ことが功を奏す場合も経験として多いです。
(※体質や状況によって合わない方もおられるので慎重な判断は必要です)
一人ひとりに違う、整え方のヒント
和ひのき薬局では、漢方薬だけでなく、
このような体を整える生活のヒントを
一緒に見つけていくことを大切にしています。
後鼻漏といっても、その背景は一人ひとり異なります。
・忙しさで自分の食欲を感じる余裕がない
・ストレスから食欲が亢進して間食する習慣になっている
・食べて満腹になることで安心している心の状態
そうした背景にも寄り添いながら、無理のない整え方を一緒に考えていきます。
最後に|治すより「整える」という視点
漢方は「症状をただ消すため」のものではありません。
和ひのき薬局へ漢方相談に来る人は西洋医学の治療では
満足できる結果が得られない方ばかりです。
症状を通じて体と心が出してくれているメッセージを受け取り、
整えることで「自然と症状が楽になっていく」
そんな道のりを一緒に歩んでいく
という視点が大切なのかもしれません。
今までのやり方ではうまくいっていないので
「症状を抑えるではなく
症状の出ない状態を維持できる身体へ整える
という視点が大切ですよ」
と相談ではよくお話しています。
「後鼻漏がずっと続いてつらい」
「病院では異常がない何とかしたい」
そんな方は、どうぞお気軽にご相談ください。
あなたの生活スタイルや体質に合わせた
「無理のない整え方」を一緒に考え、ご提案いたします。
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この記事を書いた人
神谷 和憲(かみや かずのり)
和ひのき薬局 薬剤師/漢方相談担当
後鼻漏・上咽頭炎など、長引く不調にお悩みの方に寄り添いながら、
漢方と食養生での改善をサポートしています。
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