後鼻漏の原因と対策 食養生と生活習慣

後鼻漏が治らない原因は毎日の嗜好品?カフェオレと体質の関係を漢方で解説

その不調、好きなものが原因かもしれません
「毎日のカフェオレが、喉の不快感と関係するんですね」
これは、和ひのき薬局に後鼻漏のご相談で来られた方のひと言です。

鼻の奥から垂れてくるような粘液や、痰が喉に絡むような違和感
咳ではないのに「エヘン」としたくなる
そんな状態が続いているのに、耳鼻科では「異常なし」と言われ、対処法が見つからずとても困っていたご様子でした。

これまで数多くの後鼻漏・上咽頭炎でお悩みの方の漢方相談を受けてきた、和ひのき薬局の神谷和憲です。

この方の背景にあったのは、ご褒美としての習慣的な嗜好品でした。

ご本人は全く気が付いていませんが、毎日の飲食で嗜好品が症状改善の足かせになっているケースは多いです。

だからこそ、漢方薬を飲むだけでなく生活習慣の見直しによる養生法を実施することで、症状が起こってしまう身体の状態を整えていくことが大切ですとお伝えしています。

 

【気づかぬ習慣が不調をつくる】──ある女性のカフェオレ習慣から
「アイスのカフェオレを、毎日ペットボトルで3本くらい飲んでいます」
その方は、そう話してくださいました。

ご本人は「それが悪化させているなんて思いもしなかった」と振り返っていましたが、
実はこれが後鼻漏を長引かせている1つの大きな要因となっていました。

カフェオレには、冷たさ・乳製品・糖分・保存料など、中医学で「痰湿(たんしつ)」呼ばれる体内の余分な水分を生みやすい要素が多く含まれています。

漢方・中医学では、こうした痰湿が溜まると鼻〜喉の粘膜に絡んで不快感や違和感を生み出すと考えられています。

つまり、後鼻漏は単に「鼻の問題」ではなく「体の中の状態が整っていない」ことの表れと考えていきます。

この女性は、カフェオレを少しずつ減らしながら(控えながら)水分の摂り方と体質に合った漢方を取り入れたところ、、、
2週間で起き抜けのネバネバ感が楽になり、外出先でも「エヘン」と喉を鳴らさずに済むようになっていきました。
そして2か月後には自分でも驚くほど後鼻漏の症状が消えていたそうです。

 

なぜ嗜好が体に合わなくなるのか?──中医学から見る体質と習慣
「甘いものが好き」「冷たい飲み物がやめられない」
そうした嗜好が、体に合っている間は全く問題にはなりません。

しかし身体が弱った時や疲れている場合や負担がかかり過ぎた場合には同じ嗜好が体調を崩す要因になることが起こります。

中医学では、以下のようなタイプ体質が、後鼻漏を招きやすいとされます:
・脾虚(ひきょ):胃腸が弱く、余分な水をさばけない
・痰湿(たんしつ):体内に粘液や湿気がたまりやすい
・寒湿(かんしつ):冷たいものが体に入り湿を生む

胃腸の弱り冷え・水分過多

体の中で湿(≒余分な水)が溜まる

鼻や喉に痰のように現れる
という流れを持っている方にとってはカフェオレのような嗜好品が毎日少しずつ悪化の元となってしまいます。

 

分かっていても止められない──嗜好と心の関係
「でも、カフェオレが楽しみなんです」
「甘いものがあると、ホッとするんです」
こうした、中止したいけれど飲みたくなってしまう気持ちは、とてもよくわかります。

自分自身が慢性の長引くアトピー性皮膚炎で嗜好品により悪化もさせていた過去があり、欲しくなってしまう経験があるからです。
(余談ですが、現在も嗜好品は全く口にしないではなく、皮膚の状態が悪くなりそうな時や皮膚の状態が良くない時はいっさい止めます。自己制御できるようになりましたので我慢するというストレスを感じるレベルからは卒業しました)

さて多くの方にとって嗜好品は「自分へのご褒美」や「癒し」の存在だと思います。

味覚の問題ではなく、仕事の一区切りや作業の合間の一瞬の緩衝材、心の拠り所になっていることもあります。

だからこそ、和ひのき薬局では「やめましょう」と一方的に制限するのではなく、体に合う形で「整える」というスタンスをご提案しています。

はじめは「意識すること」がポイントになります。

量の少ないモノへ変えるとかコップへ移して飲むようにするとか他には温かいお茶や無糖の豆乳などへ変更していくなど、「ホッとする」けれど「体にはやさしい」選択肢を一緒に見つけていくのです。

そして相談する前よりも嗜好品の影響を減らしていける自分作りをできることから一緒に取り組むサポートをしていきます。

 

自分の生活を見直すヒント──体質チェックと今までの振り返り
「嗜好が体に合っていないかもしれない」と感じた方は、
まず自分の1日の飲食・飲水を紙に書き出してみてください。
驚くほど、「いつもの習慣」の中にヒントが隠れています。

【あなたの体質・習慣セルフチェック】
・朝、喉にネバつきや痰が絡む
・疲れると冷たい飲み物や甘いものが欲しくなる
・胃腸が弱く、むくみやすい
・つい水分を摂りすぎているかもしれない
・舌苔が厚くなっている
これらに当てはまる方は、体質と嗜好がズレている可能性があります。

「どうして私はこれがやめられないのか?」
「他にもっと合う方法があるのでは?」
そんな問いを持てるだけであなたが整う方向へ一歩近づけます。

一歩づつが大切です。
今までとは違うことを1日でも行ったという体験から始まっていきます。

 

「整える」という選択肢──薬だけで届かないところへ
「何をしても治らない」
「薬を飲んでもすっきりしない」
そう感じている方こそ、「症状を見るだけではなく自分の生活や体質も整える視点」が必要となります。

和ひのき薬局では、体質・生活・心の傾向まで丁寧にお聞きしながら、
「その方に本当に必要な整え方」を一緒に探していきます。

薬だけでなく、生活習慣の癖・体質の偏り・自分との関係性(身体の扱い方)まで見直してもらいたいです。

それが、和ひのき薬局の考える漢方相談のスタイルとなります。

後鼻漏は、症状ではなく「体からのサイン」という診方で考えていましょう。

身体を整えるという視点に立ってみると、不調に対する意味も全く変わっていきます。

通常は、不調に対して「悪い面」しか考えにくいものですが、症状が起こったことの「良い面」も見えてくるようになると、今までの経験が大きく改善への前進につながっていくと感じています。

 

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この記事を書いた人

神谷 和憲(かみや かずのり)
和ひのき薬局 薬剤師/漢方相談担当

後鼻漏・上咽頭炎など、長引く不調にお悩みの方に寄り添いながら、
漢方と食養生での改善をサポートしています。

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