和ひのき薬局の神谷和憲です。
後鼻漏や上咽頭炎で長く悩んでいる方に、
「薬で抑える」以外の選択肢として
「自分の体を整える」という視点をお届けしたく、
本記事を書いていきます。
「鼻水が喉に落ちる」「のどがつかえる」─増え続けている相談の背景
「鼻の奥から何か垂れてくる感じがする」
「のどの奥に違和感があり、いつも気になる」
「耳鼻科では異常なしと言われたが、どうにもスッキリしない」
ここ数年、和ひのき薬局ではこうした「後鼻漏」「慢性上咽頭炎」といった
お悩みの相談が増えています。
相談の経験より長期間にわたる違和感や不快感は、
生活や睡眠の質をじわじわと奪ってしまいメンタルへ
影響が出ている人もいます。
他には咳喘息のように咳が続くケースや、
日中に頭がぼーっとして集中しにくいというケースも少なくないです。
症状が長引くことで「何が原因か分からない」「このまま治らなかったらどうしよう」
といった不安も強くなると
二重三重に心身を疲弊させていく傾向にある感じです。
原因は1つではない─「複合体質」としての後鼻漏
後鼻漏は単なる「鼻・のどの問題」ではありません。
人により十人十色となりますが
以下のような背景が複雑に絡み合って起きているケースが多いです。
特に現代は、食事や生活リズムの乱れ、冷え、ストレス、アレルギー体質など、
複数の背景が重なって症状が慢性化しやすくなっています。
・副鼻腔炎(篩骨洞や蝶形骨洞など奥の炎症)
・慢性上咽頭炎(喉奥の慢性炎症)
・アレルギー体質(花粉症・ダニ・食物)
・鼻中隔湾曲・無呼吸・いびきの影響
・粘膜の乾燥・冷え・自律神経の乱れ
また、体質によって感じやすさが異なります。
例えば、、、、
・鼻水の量が多いタイプ(痰湿・アレルギー)
・のどの粘膜が過敏なタイプ(気虚・陰虚・乾燥)
・両方が重なっているタイプ(複合体質)
漢方ではこのような状態を「肺」「脾」「腎」といった
五臓の働きの乱れとして身体を診ていきます。
◎肺:粘膜・呼吸・乾燥のバランス
◎脾:消化吸収・水分代謝・痰の生成
◎腎:冷え・免疫・再発のしやすさ
こんな感じに身体の中で肺・脾・腎は機能していると考えて、
起こっている症状だけを考えずに体にある偏りやアンバランスを
見極めていくことを重要視しています。
和ひのき薬局での対応例──「処方は症状ではなく人を見て決める」
和ひのき薬局では、起こっている症状ではなく
「体質」「生活習慣」「性格傾向」まで含めて
お困りの人の全体像を考慮しながら
個別に漢方薬をお選びしています。
店頭で使用してきた処方例の一部をご紹介します
(身体全体を考慮した上で提案しています)
◎辛夷清肺湯:副鼻腔の炎症が強く、鼻づまりが頑固な方
◎荊芥連翹湯:慢性炎症や膿が絡むタイプ
◎半夏厚朴湯:のどの詰まり感や不安・緊張の強いタイプ
◎半夏白朮天麻湯:胃腸が弱く余分な水が溜まるタイプ
◎温胆湯:粘膜の痰がネバつくタイプ
◎玉屏風散/生脈散:風邪をひきやすく体力低下している方
実際にこれらを単独ではなく
2〜3種類組み合わせて使うことが店頭では多いです。
また生活パターンも考慮して
朝と晩で必要な処方が違うなどもあります。
最も大切なことは身体全体で冷えや血流、ストレス状態など
同時に考慮して処方をご提案しています。
《相談事例①:60代女性/咳が続き、喉の違和感が取れない》
3か月以上、咳と喉の不快感が続き、耳鼻科で「後鼻漏」と言われた方。
薬を飲んでも改善せず夜も眠れないほど不快感とストレスを訴えて来局されました。
「このまま一生この症状が続くのかと不安で…」と言われるのも印象的でした。
体質をみると、胃腸が弱く冷えやすいタイプで、
緊張しやすくストレスを溜めやすい傾向がありました。
漢方では、半夏厚朴湯+イスクラ温胆湯+イスクラ衛益顆粒を中心に調整し、
さらに水分の摂り方や食生活(とくに朝の飲み物)の見直しをしてもらいました。
2週間後には咳が和らぎ、1か月で夜間の不快感がかなり改善。
3か月でほぼ違和感がなくなり、体力も戻ってきたと喜ばれました。
《相談事例②:40代男性/粘っこい痰と喉の異物感が3年続いていた》
何度も耳鼻科で診てもらったけれでも「異常なし」と言われ、
自分でもネットで調べて市販薬を試していた方。
来局時は「喉にいつも何かへばりついているような気がしてつらい」
と訴えられていました。
問診より、冷たい飲み物をよく飲んでいて大便もゆるく、
脾の弱りと痰湿(≒余分な水が多い)が顕著でした。
イスクラ健脾散顆粒+勝湿顆粒+レオピンロイヤルを中心に
痰と胃腸の湿気を抜きながら体力の底上げも意識した処方をご提案。
一緒に冷たいものを控える・食事時間を見直すなどの指導も行いました。
開始から1か月で「喉の違和感が楽になってきた」との実感。
2か月後には朝晩の症状がほぼ消えて現在も体質改善を継続中です。
症状と関連する日々の習慣にも目を向ける
「治らない後鼻漏」と言われる方の中には、
実は無意識の日々の習慣が症状を悪くさせていることも多いです。
・つい一気に水分を摂ってしまうクセ
・パンや麺が中心になりがちな食生活
・夜ふかし、ストレス過多
・運動不足や呼吸の浅さ
こうした日々の習慣が無意識で体を冷やしていたり
痰をつくる原因になっている場合が非常に多いです。
そのために和ひのき薬局の相談では
単に漢方薬を販売するだけではなく
お困りの人の日々の習慣に対して一緒に整えることを通して
本当に必要な根本改善へつなげていきます。
これは、「治療薬で症状を抑える」のではなく
『漢方と養生で症状の出ない状態を維持できる身体へ整える』
というイメージです。
「整える」という視点から症状が続く身体を変えていく
後鼻漏も上咽頭炎も「症状に効く薬」を探すだけでは
改善しにくい状態となっている
と考え方を捉えなおした方が早いです。
その理由は、今までその視点でうまくいかなかったからであり、
実際に「体全体のバランスの乱れ(偏り)」が
根本的な原因になっている場合も多いからです。
※大切なことは、症状を「抑えること」よりも
体の乱れを「整える」こととなります。
和ひのき薬局では、相談者さんに寄り添って
じっくりと相談者さん全体(体質・習慣・心)
一緒に見つめる漢方相談を行います。
長引く違和感や症状にお悩みの場合、
あなたの体に合った整え方を一緒に探していくことで、
きっと本来の快適さを取り戻せるはずと考えております。
ひとりで悩まず一度ご相談ください。
あなたに合った整え方を一緒に見つけていきましょう。
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この記事を書いた人
神谷 和憲(かみや かずのり)
和ひのき薬局 薬剤師/漢方相談担当
後鼻漏・上咽頭炎など、長引く不調にお悩みの方に寄り添いながら、
漢方と食養生での改善をサポートしています。
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