「鼻はつまっていないのに、喉に痰が落ちてくる感じが続く…」
「耳鼻科では異常なし。でも症状が治まらない…」
そんな後鼻漏でご相談に来られる方がここ数年とても増えています。
私の現場でもよくお見かけするのが胃腸の弱り(≒脾虚)が背景にあるタイプです。
鼻や喉の症状が長引いているときほど、「体の内側」の声に目を向けることが、改善のヒントになります。
■ なぜ今、脾虚体質が増えているのか?
現代の生活では、「脾(=胃腸)」を弱らせる要因が日常にあふれています。
たとえば…
・朝食を取らずにカフェラテだけ
・空腹感を待たずに“時間だから”と食べる
・疲れた自分へのご褒美に甘いお菓子
・常温以下の冷たい飲み物を1年中飲む
・食後すぐにパソコン作業に戻る
これらの習慣が続くと
胃腸が処理しきれず「余分な水=痰」が体にたまっていきます。
痰は鼻・喉・気管支まわりに溜まりやすく後鼻漏の原因になります。
■ 脾虚タイプに見られるサイン
・食欲がわかない/空腹を感じにくい
・食後に胃が重たい・眠くなる
・午後にだるさが強くなる
・舌がむくみ、縁に歯の跡(歯痕)がある
・便気味/水っぽい痰が出やすい
こうした身体からサインが出ている方は
脾虚による水分代謝の乱れが背景にあるかもしれません。
【相談事例①】40代・女性|風邪後に続く後鼻漏
風邪をきっかけに、喉に痰が落ちてくる感じが1か月以上続いたという方。
耳鼻科では異常なしと言われ朝方に不快感が強くなるとのことでした。
舌には白い苔と歯痕があり、日中の眠気や軟便もみられたため
「脾虚による痰湿タイプ」と判断しました。
食生活を温かいもの中心に整えて間食を減らす工夫をしていただき
体質に合った漢方を服用。
すると2か月ほどで後鼻漏はほとんど気にならなくなりました。
【相談事例②】30代・女性|育児疲れと間食で悪化
小さなお子さんの育児とパートで忙しい日々。
朝は食欲がなく、午後は強い眠気とだるさ。
喉の奥に何かがへばりついている感じが続くとのこと。
毎日アイスコーヒーとお菓子が欠かせない生活でした。
舌は全体にむくみがあり、白い舌苔もありました。
まずは冷たい飲み物と甘い間食を3日間だけやめてもらい
消化にやさしい夕食に切り替えてもらいました。
漢方薬&養生で3週間くらいすると喉の違和感が軽くなり
「朝の目覚めが全然違う」と話してくださいました。
■ 症状だけを見るのではなく「体質」を見る
私の店頭では、「後鼻漏の症状」だけでなく、
その方の体質、生活リズム、習慣のクセに
しっかり目を向けるようにしています。
鼻や喉に出ている症状は「結果」です。
決して「原因」ではありません。
原因が残ったままでは薬を使って一時的に良くなっても
また再発することがよくあります。
■ 今日からできる「脾をいたわる10のヒント」
少しだけ意識を変えることで脾(胃腸)は整えることはできます。
毎日すべて実行しなくてもぜんぜん構いません。
できることから一つずつ先ずは参考に始めてみてください。
- お腹が空いてから食べる
- 間食は3日間だけでもお休みしてみる
- 飲み物は常温以上に
- 食事の時間は10分だけ「ながら食べ」をやめてみる
- 胃腸が疲れている日は、雑炊やスープにする
- 夕食は寝る3時間前までに済ませる
- 甘い飲み物(缶コーヒー・ジュース)を一時中断してみる
- 生野菜より温野菜を選ぶ
- 食後すぐに横にならない
- 朝起きたら白湯を一杯
※「整える生活」が、「症状を治す力」になっていきます。
■ 和ひのき薬局が大切にしている視点
私が相談を受ける中でいつも感じるのは、
多くの方が悪化した理由を自分で理解できていない点です。
調子のいい日と悪い日。なぜ波が出るのか、どうして再発したのか。
それを「一緒に振り返り、気づいていただく」ことを大切にしています。
症状が出るたびに薬に頼るのではなく、
「そういえば冷たいものをとったからかも」
「甘いものが続いていたかもしれない」と気づけるようになると、
自分で整える力が育っていきます。
この視点は私自身が慢性アトピーを克服する過程で
自分が体感しながら培ったものを活かしています。
これができるようになってつかんだことは
アトピーは決して悪者ではなく戦う必要は全くないし
むしろアトピーで良かったこと
皮膚の弱いことのメリットまで理解しました。
だからこそ今では他の誰よりも「再発を防ぐ力」を
一緒に育てていくことができると信じています。
■ まとめ:症状に悩む前に体の声に気づくという選択
「どこに行っても治らなかった」
「耳鼻科では異常なし。でもつらい」
そうした声を、私は何度も相談時に聞いてきました。
後鼻漏が長引くときこそ、
症状だけを見るのではなく
「体全体を見直す」ことが改善の近道になります。
体質を整えるという視点を持つことで
症状が自然と落ち着いてくることは多いです。
あなたも自と対話して身体の声を聞ける自分作りを一緒に行いませんか?
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この記事を書いた人
神谷 和憲(かみや かずのり)
和ひのき薬局 薬剤師/漢方相談担当
後鼻漏・上咽頭炎など、長引く不調にお悩みの方に寄り添いながら、
漢方と食養生での改善をサポートしています。
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