後鼻漏の原因と対策 食養生と生活習慣

後鼻漏と粘膜の腫れ|なぜ治らない?体質と習慣の見直しがカギ

「耳鼻科で診てもらっても異常なし。でも後鼻漏が続いてつらい」
「鼻づまりはないのに、喉に痰が流れてくる感じが止まらない」
「のどがイガイガして、痰がからんで話しづらい…」

和ひのき薬局には、そんな鼻の不調に長年悩んでいる方から多くのご相談があります。
実際に来られる方の多くは、すでに耳鼻咽喉科で複数回の受診や検査を受けたものの、
改善せずにご相談に至るという経過をたどっています。

当薬局では、漢方専門の立場から、お一人おひとりの症状の背景にある
「体質のアンバランス」や「生活習慣のクセ」を丁寧に読み解いていきます。

 

鼻の不調のカギは「粘膜の腫れ」にあり

慢性化した後鼻漏の背景には、鼻の奥や喉の粘膜が
「軽い炎症を起こして腫れている」状態がよく見られます。

しかし、単純に「粘膜の腫れを抑える薬を飲めば治る」
というものではありません。

なぜなら、その腫れの原因は十人十色だからです。

たとえば以下のような違いによって、対応の方向性も変わります:

  • 鼻づまりの有無
  • 痰が喉に落ちるだけか、吐き出せるか
  • 痰の色や粘り具合
  • のどのイガイガ感や咳の有無

漢方では、このような症状の出かたの違いを細かく確認し、
「なぜ粘膜が腫れているのか?」を
体の内側から考えていくことが基本です。

たとえば「鼻が乾くのに痰が粘る人」は津液不足(しんえきぶそく)、
「痰が多く重だるい人」は水湿(すいしつ)の停滞など、

タイプによって原因の見方が変わります。

 

実は、自分で治りにくくしている場合も…

「なぜこんなに長引くのか分からない」
「これまで何をしてもダメだった」
そう感じている方にこそ、お伝えしたいことがあります。

実は、無意識のうちに治りにくくしている生活習慣がある
ことが非常に多いのです。

特に見落とされがちなのが、「日々の飲食」です。

たとえば…

  • 朝食はパンとコーヒーだけ
  • お菓子や甘いものを頻繁に摂る
  • 喉が気になるからと水分をとりすぎている
  • 冷たい飲み物が習慣化している

こういった日常の積み重ねが
粘膜の腫れやむくみを引き起こし
後鼻漏を慢性化させてしまいます。

とくに脾(ひ:消化器)のはたらきが弱いと、
水分代謝がうまくいかず鼻や喉の粘膜に
余分な湿が溜まりやすくなる
ため
養生の見直しが大切になります。

 

まずは“粘膜を腫らさない生活”を整える

和ひのき薬局では、漢方薬をお渡しする前に、
まずは「生活習慣でできること=養生」をしっかりご提案します。

粘膜の腫れ=“むくみ”と“鬱血”の状態です。

これは漢方でいう「水湿(すいしつ)」や「瘀血(おけつ)」
が鼻の粘膜に滞っている状態と捉え、
体内の巡りや余分な水分代謝を改善することが治療の要となります。

これを改善するには、以下のようなポイントを重視しています。

特に注意してもらう食習慣

  • 甘いもの(砂糖類)をできるだけ控える
  • 揚げ物や脂っこい食事を減らす
  • 冷たい飲食物を避ける(氷水、アイスなど)
  • 水分を摂りすぎない(温かい飲み物が基本)

また、胃腸の働きが弱っている方には、
空腹感がないときには思い切って1食抜く(プチ断食)こと
をおすすめする場合もあります。

パンや麺類を控え、ご飯と味噌汁中心の和食に整えることも
粘膜の安定につながります。

これらの養生は「全部を完璧に守ってください」というものではなく
優先度の高いところから無理なく変えていくことを大切にしています。

 

相談事例:養生が効いたケース

  • 40代女性/後鼻漏とのどのイガイガが3年続いていた

耳鼻科での治療では改善せずご来局。食事の聞き取りをすると、毎朝パンとカフェオレ、おやつに甘いスイーツが習慣化。
→ 甘味・冷飲・パンを控えるよう指導し、漢方薬を併用。
→ 2週間でのどのイガイガが減少、1か月後には後鼻漏も軽減。

  • 30代男性/鼻水は出ないが喉に落ちる感じが1年以上続く

水分摂取が1日2リットル以上。しかもほとんどが冷たい麦茶。
→ 水分を温かいお茶に切り替え、全体量も半分に。
→ 加えて、湿をさばく漢方薬を服用。3週間で違和感が半減し、1か月半で症状消失。

 

早く改善する方の特徴とは?

私たちが多くのご相談を受ける中で、改善が早い方には共通点があります。

・若年層(回復力が高い)

症状の経過が短い(慢性化していない)

養生指導を素直に実行できる人(粘膜の腫れが早く引く)

「もう何年も治らないから無理かも…」と思っている方も、
まずは今の生活を粘膜が喜ぶ習慣に切り替えることから始めてみてください。

 

最後に:後鼻漏はこじらせないうちに、専門家へ

鼻の不調は一度こじれてしまうと長引いてしまいやすい症状です。

耳鼻科だけでは改善しにくいケースも多く、そうしたときこそ、
中医学の視点で体質や生活から根本的に見直すことが必要です。

和ひのき薬局では、後鼻漏や鼻炎・上咽頭炎などの漢方相談を多数受けており、
豊富な経験と実例に基づいた対応が可能です。

「本気で治したい」「自分に合った改善法を知りたい」という方は、
ぜひ一度ご相談ください。

 

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この記事を書いた人
神谷 和憲(かみや かずのり)
和ひのき薬局 薬剤師/漢方相談担当

後鼻漏・上咽頭炎など、長引く不調にお悩みの方に寄り添いながら、
漢方と食養生での改善をサポートしています。

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