「こんなに病院を回ったのに、どこも異常なしと言われてしまって…」
最近ご相談に来られた方の言葉ですが、
お話を伺ってとても気の毒に感じます。
その内容ですが、、、
◆ たらい回しにされた後鼻漏──どこへ行けばよかったのか?
最初は風邪をきっかけに副鼻腔炎となり、耳鼻科で治療を受けていたそうです。
しかし、喉の奥に痰が落ちるような違和感について伝えたところ、
「歯が原因かもしれない」と言われて歯科を受診。
結果、全く異常なし。
次に別の耳鼻科へ行くと「鼻はきれいですね」と言われ、
今度は呼吸器内科を紹介されました。
しかしその呼吸器科では「上咽頭は科が違う」と断られ、
また別の耳鼻科へ…。
病院を変えるたびに、検査を受けて時間とお金もかけているのに、
一向に症状は良くならなかったそうです。
「結局どこへ行けばよいか分からなくなった」
と話されていました。
そんな中、和ひのき薬局をインターネットで知り、
遠方からわざわざ来店してくださったのです。
◆「異常なし」でもつらい──漢方は全体のバランスを診る
病院で検査をしても「異常なし」
と言われることは良く経験します。
でも、症状がつらいのは事実と思います。
人によっては
「年だから・・・」
「気のせい・・・」
と言われたという方もいます。
和ひのき薬局では、そうした方のご相談を
日々お受けしています。
西洋医学は「数値や画像に異常があるかどうか」
で治療の対象を決めます。
それに対し、漢方では「なぜこの状態になったのか?」
という背景や体質、生活習慣を含めて診ます。
このため、和ひのき薬局では後鼻漏・上咽頭炎など
鼻や喉の症状に限らず、
全身の状態や日々の暮らし方を
しっかり丁寧に伺っています。
◆ 痰湿タイプ──体の中に“余分”がたまると起こる後鼻漏
この方のお話を詳しく聞いていくと、
過去2年間で体重が10kgほど増えていたことがわかりました。
「そういえば、ちょうどその頃から
後鼻漏がひどくなったかもしれません」
とご本人も振り返ります。
他に次のような生活パターンが見えてきました:
・空腹感がなくても、時間だからと食事をする
・甘い物や間食が習慣になっている
・運動はほとんどしなくなっている
このような生活が続くことで、
体内に余分な水分や老廃物がたまり、
粘膜に影響を及ぼしていたのです。
漢方ではこれを「痰湿(たんしつ)」と呼びます。
水の代謝がうまくいかず、“痰”や“濁り”として体に停滞するタイプで、
後鼻漏だけでなく、むくみ・だるさ・粘膜の腫れ・めまい・眠気など
症状を伴いやすくなります。
◆ なぜ現代人に痰湿タイプが増えているのか?
実は、現代の生活環境そのものが「痰湿」を招きやすくなっています。
たとえば──
・冷暖房による“体温調節機能”の低下
・スマホやパソコンによる長時間の座り姿勢
・運動不足による代謝の低下
・高カロリー・高脂肪・冷たい飲み物などへのアクセスのしやすさ
・ストレスによる自律神経の乱れ(これも湿を停滞させる一因)
つまり、体を動かさず、食べすぎて、冷やしてしまう
という環境が整ってしまっています。
また、現代人は「空腹を感じる時間」が
極端に少ないとも言われています。
消化が終わる前に次の食事をとることが習慣になると、
体内は常に処理しきれない栄養であふれてしまい、
それが余分となって痰や湿に変わります。
このような背景から、
昔よりも「気が滞り、湿が溜まりやすい体」
になっている方が圧倒的に多いです。
◆ 自分が痰湿タイプかどうか?セルフチェック
以下の項目に心当たりはありますか?
・食後すぐに眠くなる
・足がむくみやすい
・雨の日や湿度が高い日は体が重だるい
・舌が白くて分厚い苔がある
・運動不足が続いている
・朝からスッキリしない/体が重い
3つ以上当てはまる場合は
「痰湿体質」の傾向があると考えられます。
後鼻漏でお困りの人で
この体質の場合あれば、単に鼻の治療をしても
なかなか後鼻漏が改善しないことは多いです。
◆ 痰湿タイプにおすすめの食習慣・生活習慣
後鼻漏の改善には漢方薬も大切ですが、
それ以上に「食べ方・暮らし方」の見直し
がカギになります。
以下は痰湿タイプの方におすすめの生活改善法です:
<食事>
・空腹を感じてから食べる(食べすぎ防止)
・間食・甘いものを減らす(特に洋菓子・冷たい飲み物は避ける)
・朝は白湯や味噌汁で胃腸を温めてから食べる
<生活>
・毎日軽く体を動かす(10分でもOK)
・湿気の多い日は無理せず、体を冷やさない工夫を
・湯船につかる習慣で巡りをサポート
こうした養生を続けたうえで
自分の体質に合った漢方薬を服用していくと
後鼻漏が出にくい体へ
戻していくことも可能です。
◆ 大事なのは「症状が出ない状態の維持」
後鼻漏は、一時的に抑えることができても、
体質や習慣が変わっていなければ
すぐに再発してします。
目指すのは「出なくする」のではなく
「出ない状態を維持できる身体に戻すこと」
と考えてみて下さい。
そのためには、体の声に耳を傾け、
日々の生活と体質のバランス
を整えることは欠かせません。
◆ 最後に──原因がわからない症状こそ、体全体を見直すチャンス
病院で異常がなくても症状があるということは
体からのサインです。
西洋医学で答えが見つからないときこそ
漢方の視点が活きてきます。
和ひのき薬局では、
こうした見えにくい体の不調に寄り添い、
これまで多くの方の後鼻漏改善を
お手伝いしてきました。
今回のケースは痰湿でしたが
あたなの状態に合わせて身体を整え
「症状の出ない状態を維持できる身体へ」
整えていきましょう。
つらい後鼻漏がなかなか治らずに悩んでいる方、
「自分も同じような状況かも」と感じた方は
どうぞ一度ご相談ください。
あなたの不調には、きっと意味があります。
その背景を一緒に見つめ、整えましょう。
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この記事を書いた人
神谷 和憲(かみや かずのり)
和ひのき薬局 薬剤師/漢方相談担当
後鼻漏・上咽頭炎など、長引く不調にお悩みの方に寄り添いながら、
漢方と食養生での改善をサポートしています。
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