後鼻漏の原因と対策 食養生と生活習慣

熱中症対策で水を飲みすぎていませんか?─後鼻漏が治らない方のための養生法

はじめに

「喉に痰がずっと落ちてきて気持ち悪い…」
「鼻水が喉に流れ込み、寝ていると咳き込んでしまう…」

そんな後鼻漏の症状で、和ひのき薬局に相談に来られる方は、実は水分の摂り方が大きく関係していることも少なくありません。

とくに夏場になると「熱中症対策で水をたくさん飲むようにしている」という方が急増しますが、飲み方や体質に合っていない水分摂取が、かえって後鼻漏を悪化させてしまうこともあります。

 

水分補給は大事、でも「体質に合った量」が大切

テレビや健康番組などで「1日2リットルの水を飲みましょう」と紹介されることがあります。
確かに、熱中症予防や脱水を防ぐためには、水分補給はとても重要です。

しかし、すべての人にとって2リットルがベストというわけではありません。

体質や年齢、食事内容、運動量、汗のかき方などによって、必要な水分量は大きく異なります。
後鼻漏・副鼻腔炎・慢性上咽頭炎といった症状が長引いている方の場合、“余分な水分=痰”として体に溜まりやすくなっているケースも多いため、飲み方を見直すことが養生の第一歩です。

 

「冷たいもの・飲みすぎ」には要注意

夏になると冷たい水やアイスコーヒーなどを、ついゴクゴクと飲んでしまいがちです。
しかし、冷たい飲み物は胃腸を冷やし、消化力を低下させ、湿(余分な水分)を溜めやすくします。

さらに、のどや鼻の粘膜が冷えて血流が悪くなり、炎症が長引いてしまう原因にもなります。

 

意外と盲点?「飲む容器の大きさ」にご注意

水分摂取の量を自然と増やしてしまう要因のひとつが、「飲む容器の大きさ」です。
マグカップや大きなボトルで飲んでいると、つい一度にたくさん飲んでしまいます。

ヨーロッパのように小さなカップでゆっくり味わうスタイルに対して、アメリカ式の大容量コーヒーを1日4~5杯というのは、知らず知らずに「冷え」や「過剰な水分」を招くリスクがあります。

できるだけ小さなカップで、一口ずつを意識してみてください。

 

「唾液と混ぜてゆっくり」が理想的な飲み方

漢方的には、飲み物は「一口ずつ、唾液と混ぜながら飲む」のが良いとされています。
熱いお茶をすすりながら飲むようなイメージです。
一気にゴクゴク飲むと胃腸に負担がかかり、消化力も低下します。

食事中の水分摂取にも注意が必要です。
食べ物を水分で流し込んでしまうと、噛む回数が減り、唾液の分泌も減ってしまいます。

 

「噛む・唾液を出す」ことで過剰な水分欲求を防ぐ

口の渇きが気になる方は、まずはよく噛んで食べることを心がけてください。
唾液がしっかり分泌されることで、のどの渇きが落ち着き、水分を過剰に欲しがる体から変わっていきます。

また、梅干しや酢の物といった「唾液を促す食材」をうまく取り入れるのもおすすめです。

 

和ひのき薬局での実際のご相談より

後鼻漏でご相談いただいた方の中には、

  • 「水分の摂り方が原因だったなんて考えたこともなかった」
  • 「“水をたくさん飲めばいい”と思い込んでいた」
  • 「小さいカップに変えただけで飲む量が減りました」

という気づきを得て、体調が改善していった方もいらっしゃいます。

 

まとめ:後鼻漏改善のカギは「日々の飲み方の習慣」にあり

長引く後鼻漏・副鼻腔炎・上咽頭炎などでお悩みの方には、
「薬を飲むこと」だけでなく、「日々の習慣の見直し」がとても大切です。

水分の摂り方、温度、飲み方、容器、噛む回数など、
ひとつずつの積み重ねが、体質改善と症状緩和につながっていきます。

 

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🖊この記事を書いた人
神谷 和憲(かみや かずのり)
和ひのき薬局 薬剤師/漢方相談担当

後鼻漏・上咽頭炎など、長引く不調にお悩みの方に寄り添いながら、
漢方と食養生での改善をサポートしています。

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