はじめに
「ご飯を食べた後、喉に痰が降りてきて気持ち悪い」
「朝はマシなのに、昼食後から喉がネバつく」
「食後の後鼻漏がつらくて、外食も気が進まない」
そんな“食後に悪化する後鼻漏”に悩まれている方が、和ひのき薬局にも数多くご相談に来られています。
一見すると「食べたものが合わなかったのかな?」と思いがちですが、
実はその背景に、「胃腸のはたらきの弱り」や「体に合わない習慣の積み重ね」があることが多いのです。
食後に後鼻漏が悪化する方によくある傾向
漢方では、消化吸収のはたらきを担う「脾(ひ)」の弱りが痰や湿(余分な水分)を生み出す根本原因になると考えます。
次のような習慣に思い当たりはありませんか?
・空腹感がないまま、なんとなく食べることが多い
・麺類・パン・冷たいもの・甘いものが好き
・昼食・夕食後に喉がネバつく
・食べ過ぎるとその後しばらく後鼻漏が悪化する
・胃もたれ・お腹の張りやすさも気になる
もし、いくつか当てはまるようであれば、「脾」のはたらきが弱っている可能性が高いといえます。
【タイプチェック】あなたはどのタイプ?
以下の2つに分けてみると、ご自身のタイプがより明確になります。
【A】処理オーバー型
- つい早食い/大食い気味
- 外食や間食が多い
- 食後に後鼻漏だけでなく、眠気やだるさもある
→ 胃腸に負担がかかりすぎて「湿」がたまりやすいタイプ
【B】胃腸虚弱型
- 少食なのに後鼻漏が続く
- 胃もたれ・軟便ぎみ
- 体力も落ち気味で、疲れやすい
→ 脾が虚して「痰湿」をさばけないタイプ
※どちらのタイプも、根本的な対策として「健脾化痰」の考え方がベースになります。
健脾化痰とは?
健脾=胃腸を元気にすること
化痰=体内にたまった痰・湿を取り除くこと
後鼻漏が食後に悪化する背景には、「処理しきれないほどの食べ物」が胃腸に負担をかけ、それが体内に“痰”として残ってしまっている状態があります。
そのため、薬だけではなく、食べ方の見直し=食養生が不可欠です。
食後悪化タイプの食養生:1週間だけでも本気で試してみてください
以下のポイントは、実際の相談現場でもご提案している内容です。
後鼻漏が食後に悪化する方への具体的な工夫
- 1食抜く(空腹の時間をしっかり確保する)
- パン・麺類をやめ、米中心の和食に変えてみる
- お腹が鳴ってから食べるようにする(空腹感を大切に)
- よく噛み、食事時間を最低15分以上に延ばす
- 食後すぐに横にならない(内臓に圧迫をかけない)
- できれば夜は早め・少なめに食べる
これらはすべて、「脾」を守りながら「痰」を減らす食養生です。
とくに空腹感のない食事は“未消化物”を生み、後鼻漏の大きな原因になります。
実際の相談事例
- 40代女性/会社員
昼食後に後鼻漏が悪化し、午後の会議がつらいと相談。
パン・麺の昼食から、和食中心に変更し、空腹感を大切にするように。
健脾化痰の漢方と併用し、1週間で「痰の量が明らかに減った」と実感。現在も養生を継続中。
- 50代男性/自営業
「食後に痰が絡む感じが強く、咳も出る」と来局。
間食・深夜の食事・缶コーヒー多飲が原因と考えられ、生活改善を提案。
2週間で咳・後鼻漏ともに軽減。「あの時、食事を変える決断をしてよかった」と継続中。
よくある「失敗パターン」
- 「少し良くなったから」とすぐにパン・麺を再開
- 疲れた日に「甘いものでご褒美」が習慣化
- 空腹感を待てず、時間で食べてしまう
- 一気に改善しようとして無理して続かない
こうした「リバウンド」も、よくある落とし穴です。
焦らず、できる範囲からコツコツ続けることが、改善への近道です。
生活改善を“楽しめた人”ほど、結果が早い
和ひのき薬局では、単に「薬を出して終わり」ではなく、
生活のなかでできる改善を一緒に見つけていくことを大切にしています。
慢性的な不調に悩む方ほど、
「これまでの習慣が今の体をつくっている」と気づき、
それを前向きに見直すことで、自然と体調が上向いていくのです。
最後に:後鼻漏は「体からのメッセージ」
食後に後鼻漏が悪化するのは、「胃腸が苦しいよ」「ちょっと休ませて」と体がサインを出してくれているのかもしれません。
漢方薬と食養生で、
その声に丁寧に耳を傾けることが、体質改善の第一歩になります。
気になる症状が続いている方は、どうぞお気軽にご相談ください。
一緒に“症状のない毎日”を目指していきましょう。
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この記事を書いた人
神谷 和憲(かみや かずのり)
和ひのき薬局 薬剤師/漢方相談担当
後鼻漏・上咽頭炎など、長引く不調にお悩みの方に寄り添いながら、
漢方と食養生での改善をサポートしています。
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