はじめに
「鼻水がのどに垂れてきて気持ち悪い」
「痰がいつも絡んで取れない」
「耳鼻科では異常なし。でも全然良くならない…」
そんな後鼻漏の症状で、和ひのき薬局には多くの方がご相談にいらっしゃいます。
一見「ただの鼻水」と思われがちなこの症状。
でも実際は――
- 治療を受けてもよくならない
- なぜ起こるのか原因が分からない
- 地味につらく、生活の質が下がる
という出口の見えにくい不調として、長年悩まれている方が少なくありません。
今回は、漢方相談の現場から
「後鼻漏がなぜ治りにくいのか?」
その背景と体質別の対応について、丁寧にお伝えします。
後鼻漏は「症状」ではなく「体からのサイン」
まず大切なのは、後鼻漏を単なる鼻やのどの症状としてだけ見るのではなく、
「体の内側のバランスが乱れているサイン」として受けとめることです。
西洋医学では「副鼻腔炎」「アレルギー性鼻炎」「上咽頭炎」などと診断されることがありますが、
治療をしてもなかなか良くならない、また原因がはっきりしないことも多くあります。
漢方では、後鼻漏の原因を「水湿(すいしつ)」や「痰飲(たんいん)」といった、
“余分な水分”が体内に滞っている状態と捉えます。
これは、体の「水分の巡り=水代謝」がうまくいっていない証拠ともいえるのです。
後鼻漏が慢性化しやすい「3つの体質タイプ」
和ひのき薬局で後鼻漏に悩む方のご相談を受けてきた中で、
とくに以下のような体質の方が症状が長引きやすい傾向があります。
❶ 冷えと湿気がこもる【寒湿タイプ】
- 手足が冷えやすい
- 痰がネバネバして切れにくい
- 胃腸が弱く、食後に眠くなる
→ 処方例:苓桂朮甘湯、半夏白朮天麻湯など
❷ ストレスや気の停滞がある【気滞タイプ】
- 喉に何かつかえたような違和感(梅核気)
- 胃が張る、ゲップが多い
- イライラしやすく眠りが浅い
→ 処方例:逍遥顆粒、半夏厚朴湯など
❸ 潤いが足りない【陰虚タイプ】
- 乾いた空咳や喉の渇きがある
- 寝汗やほてり、疲れやすさが気になる
→ 処方例:麦味参顆粒、滋陰降火湯など
同じ“後鼻漏”でも、体の状態によってその背景はまったく異なるため、
「あなたにとっての原因はどこか?」を見極めることがとても大切です。
症状ではなく「体のバランス」にアプローチするのが漢方
漢方相談では「この薬が効く」という一律の対応ではなく、
体質と生活習慣を含めた全体のバランスを整えることを目指します。
たとえば、
- サラサラの透明な鼻水 → 冷えや水分代謝の乱れ
- 黄色く粘る鼻水 → 熱や炎症の関与
- のどが乾く+痰が切れない → 潤い不足や陰虚
このように、状態の違いに合わせて使う漢方薬も変わります。
加えて、改善のためには生活面の見直しも欠かせません。
- 水分の摂り方(冷たい飲み物を減らす)
- 食事の工夫(甘い・脂っこい物を控える)
- 入浴や睡眠のリズムの調整
体に合った生活養生を取り入れることで、改善力はさらに高まります。
「どこに相談したらいいのか分からない…」という方へ
後鼻漏が長引くと、
「治らないのは私のせいかも…」と落ち込んでしまう方もいらっしゃいます。
でも、あなたが悪いのではありません。
それは、身体が「整えてほしい」と訴えているサインなのです。
和ひのき薬局では、
あなたのお話をじっくりお聞きし、体質や生活背景をふまえて、
無理のない、やさしい改善方法をご提案しています。
どこに相談すればいいか迷っている方こそ、ぜひ一度ご相談ください。
後鼻漏は、「体との対話」から解決の糸口が見えてくることもあるのです。
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🖊この記事を書いた人
神谷 和憲(かみや かずのり)
和ひのき薬局 薬剤師/漢方相談担当
後鼻漏・上咽頭炎など、長引く不調にお悩みの方に寄り添いながら、
漢方と食養生での改善をサポートしています。
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